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世界遺産にも登録されているローマ歴史地区のパンテオンは、紀元前25年にアグリッパにより創建され、その後火災に遭いながらも、西暦120〜124年にハドリアヌス帝によって再建されました。ローマ建築の粋を集めて建造されたこの歴史的建造物が、私たちと馴染みの深いコンクリート製だということをご存知ですか？
パンテオンのコンクリートは、イタリア地方に多い石灰岩に粘土等を混ぜて焼いたセメントに、砂・砂利などの骨材を混ぜ、水で練って作られたもの。この技術は、現代建築におけるコンクリート製法と変わりありません。ただし、ローマ建築と現代建築物とで大きく異なるのは、コンクリート内部に鉄筋が入っていないこと。つまり、ひび割れて崩れてしまいそうなコンクリートと石組み技術だけで、あれほど巨大で壮大な建造物が約1900年にもわたって現存しているのです。
多くのビルやマンションが築数十年で老朽化してしまうなかで、なぜパンテオンは1900年前の姿をそのまま今に残しているのでしょうか？ その秘密は、コンクリートの持つ素材特性にあるのです。 |
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